令和3年版 消防白書

3.情報システムの活用

(1)災害時対応支援システムの導入と活用

災害発生時に正確かつ迅速な状況判断の下に的確な応急活動を遂行するため、消防研究センターで開発した「簡易型地震被害想定システム」(第2-10-5図)を導入し、災害発生時におけるシミュレーションによる被害の推計や、平時には円滑な災害対応訓練に活用している。
また、当該システムによる被害の推定結果を全都道府県等にメール配信するなど活用を図っている。

第2-10-5図 簡易型地震被害想定システムの画面表示例

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第2-10-5図 簡易型地震被害想定システムの画面表示例

(2)統計調査系システム

行政事務の情報化に対応し、統計事務の効率化・迅速化を図るため、ハードウエア等の管理を一元化した「統計調査系システム」にて次の調査を行っている。
・火災報告等調査
・防火対象物実態等調査
・救急・ウツタイン様式調査
・救助調査
・危険物規制事務調査
・危険物に係る事故及びコンビナート特別防災区域における事故報告調査
・石油コンビナート等実態調査
・消防防災・震災対策現況調査
・緊急消防援助隊登録管理
・防災・危機管理セルフチェック
消防庁では、これらのデータを迅速かつ的確に収集・整理することにより、都道府県、消防本部への速やかな情報提供を行い、各種施策への反映を支援している。

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