令和3年版 消防白書

4.安否情報システムの運用

武力攻撃事態等により住民が避難した場合などにおいては、家族等の安否を確認できるようにすることが重要である。
このため、消防庁では、地方公共団体の職員等が避難所や病院などで収集した安否情報を、パソコンを使って入力でき、さらに全国データとして検索可能な形にできる「武力攻撃事態等における安否情報収集・提供システム」(以下「安否情報システム」という。)を構築し、平成20年4月から運用を開始した(第3-1-3図)。これまで、武力攻撃事態等のみならず自然災害にも対応できるようシステム改修を行うなどの改修を実施し、使用の利便性の向上に努めている。また、地方公共団体職員のシステムに対する理解促進・操作習熟を目的に、定期的な訓練を実施している。
システムが使用された事例として、平成23年の東日本大震災において、安否情報が約16万3000件登録され、現実の災害で安否情報システムが使用された初の事例となった。

第3-1-3図 安否情報の流れ(関係機関相関イメージ)

画像をクリック(タップ)すると拡大表示します

第3-1-3図 安否情報の流れ(関係機関相関イメージ)

関連リンク

はじめに
はじめに 昨年は、静岡県熱海市土石流災害や8月11日からの大雨などの自然災害に見舞われ、多くの人的・物的被害が生じました。 また、新型コロナウイルス感染症への対応として、救急隊員の感染防止対策の徹底や、ワクチン接種業務への救急救命士の活用など様々な対応が求められました。 気候変動...
1.令和3年7月静岡県熱海市土石流災害による被害及び消防機関等の対応状況
特集1 最近の大規模自然災害等への対応 1.令和3年7月静岡県熱海市土石流災害による被害及び消防機関等の対応状況 (1)災害の概要 6月末から日本付近に停滞した梅雨前線の影響で、西日本から東北地方の広い範囲で大雨となり、各地で河川氾濫、浸水、土砂崩れ等が発生した。 静岡県熱海市では、降り始めから7月...
2.令和3年8月11日からの大雨による被害及び消防機関等の対応状況
2.令和3年8月11日からの大雨による被害及び消防機関等の対応状況 (1)災害の概要 ア 気象の状況 8月11日から21日にかけて、日本付近に停滞した前線に暖かく湿った空気が断続的に流れ込んだ影響で前線の活動が活発となり、西日本から東日本の広い範囲にかけて大雨となった。 特に、8月12日から14日は...
3.栃木県足利市林野火災による被害及び消防機関等の対応状況
3.栃木県足利市林野火災による被害及び消防機関等の対応状況 (1)災害の概要 ア 火災の概要 令和3年2月21日15時20分頃、栃木県足利市西宮町地内にある両崖山山頂付近の山林(通称「紫山」)から出火した。管轄の足利市消防本部は同日の15時36分に覚知し消火活動に当たったが、強風注意報が発表された2...