令和6年版 消防白書

第3節 石油コンビナート災害対策

石油コンビナート災害の現況と最近の動向

1.事故件数と被害

令和5年中に石油コンビナート等特別防災区域(以下、本節において「特別防災区域」という。)の特定事業所*1で発生した事故件数は397件で、地震以外の事故(以下、本節において「一般事故」という。)は395件、地震及び津波による事故(以下、本節において「地震事故」という。)は2件となっている。
一般事故の発生件数の推移をみると、平成元年以降、増加傾向にあり、令和5年中の事故は、過去最も多い395件(対前年比46件増)となっている(第1-3-1図)。
令和5年中、一般事故で死傷者の発生した事故は21件(同4件減)で、死傷者の内訳は、死者2人(同1人増)、負傷者25人(同8人減)となっている(資料1-3-1)。

第1-3-1図 石油コンビナート事故発生件数の推移

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*1 特定事業所:第1種事業所(石油の貯蔵・取扱量が1万キロリットル以上又は高圧ガスの処理量が200万立方メートル以上等である事業所)及び第2種事業所(石油の貯蔵・取扱量が1千キロリットル以上又は高圧ガスの処理量が20万立方メートル以上等である事業所)

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