令和6年版 消防白書

2.豊後水道を震源とする地震に係る被害及び消防機関等の対応状況

(1)災害の概要

ア 地震の概要

令和6年4月17日23時14分、豊後水道の深さ39㎞を震源とするマグニチュード6.6の地震が発生し、愛媛県愛南町及び高知県宿毛市で震度6弱を観測した。

イ 被害の状況

この地震により、高知県において、重傷者2人など、広島県、愛媛県、高知県及び大分県の4県において、合わせて負傷者16人の人的被害が発生した。
また、361棟が一部破損となる住家被害も発生した(令和6年11月21日現在)。

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被害の状況(宇和島市提供)

(2)政府の主な動き及び消防機関等の活動

ア 政府の主な動き

政府においては、地震発生後直ちに官邸対策室を設置した。同日23時39分には、関係省庁の局長級等で構成される緊急参集チームによる協議が開始され、関係省庁間で被害状況等の情報が共有された。

イ 消防庁の対応

消防庁においては、地震発生後直ちに消防庁長官を長とする消防庁災害対策本部(第3次応急体制)を設置し、震度5弱以上を観測した愛媛県、高知県及び大分県に対して、適切な対応及び被害報告について要請した。

ウ 被災自治体の対応

この地震により、愛媛県及び高知県が災害対策本部を設置した。

エ 消防機関の対応

(ア)消防本部
被害を受けた地域を管轄する消防本部では、多数の119番通報が入電し、直ちに救助・救急等の活動に当たったほか、被害状況を把握するため、愛媛県及び高知県の消防防災ヘリコプターが被災地域の情報収集活動を実施した。
(イ)消防団
愛媛県及び高知県内をはじめとする市町村において、消防団は、地震発生直後から被害情報の収集、危険箇所の巡視・警戒及び消防水利の漏れ等の確認作業を実施した。

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