4.停電

 台風が去った後も人々の生活を苦しめ続けたのが、長期間に渡った停電です。
暴風により鉄塔や電柱の倒壊、送電線の支障等が発生し、最大で約934,900戸で停電が発生しました。停電を起因とした断水の発生や交通機関の停止などライフラインへの被害が多数発生しました。
 またこの年は酷暑で、冷房が止まったために、被災地の人々は暑さにも苦しめられることになりました。
 復旧は思うように進まず、また、復旧見通しの発表が遅れたり、見通しが変更されたりするといった混乱も生じました。
 電力は一部の復旧困難箇所等を除き、9月27日には復旧しましたが、発災から復旧までに2週間以上の時間を要したことは、大きな教訓を残しました。
 被害状況を把握する人員の整備やドローンの活用、SNS等を活用した情報提供、医療や福祉など重要施設への非常用電源の整備促進など、停電によるトラブルを最小限にするための努力がすでに始まっています。
 また、この停電は一般家庭における、災害への準備の大切さを教えてくれました。停電によって断水が起こることに備え、浴槽に生活用水を貯めておく、情報入手や連絡のために携帯電話を充電できる非常用電源を用意しておく、日頃からこのような準備をしておくことで、被害を小さくすることができます。

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