2.防災気象情報・避難情報等に基づく避難行動(風水害編)

豪雨災害から身を守るために防災気象情報や避難情報について学びましょう。
災害が発生しそうなとき、皆さんや家族の身を守るためには、気象庁などから出される防災気象情報や市町村から出される避難情報をもとに、適切なタイミングで避難などの行動をとる必要があります。

まず、気象庁などから出される防災気象情報について説明します。

防災気象情報は、災害の種類ごとに、緊迫度などに応じてランク付けをして出されるもので、みなさんはテレビ・ラジオ等のほか、気象庁のホームページでも確認することができます。
防災気象情報は、市町村が皆さんに避難行動を促す避難情報を発令する基準となるものです。また、防災気象情報そのものが、皆さんが避難などの行動を判断する参考にもなります。

これらの防災気象情報を災害種別、警戒レベル別に整理したものがこの表です。
たとえば、土砂災害に関しては、危険度の高いものから順に、重大な災害が起こるおそれが著しく大きい場合である警戒レベル5に相当する大雨特別警報(土砂災害)、災害発生の危険度が高まっている場合である警戒レベル4に相当する土砂災害警戒情報、重大な災害が起こる おそれがある場合である警戒レベル3に相当する大雨警報(土砂災害)とランク付けされています。同様に「洪水等に関する情報」「高潮に関する情報」についても警戒レベルごとに発表される情報が定められています。
これらは、次にお話しする避難情報に対応するものとして位置づけられています。

続いて避難情報について説明します。

避難情報は、防災気象情報などをもとに市町村長が発令し、みなさんの避難行動を促す情報です。避難情報には、高齢者等避難、避難指示、緊急安全確保があります。これらについても、先ほどお話しした警戒レベルと結びついており、高齢者等避難は警戒レベル3、避難指示は警戒レベル4、緊急安全確保は警戒レベル5に当たります。なお、警戒レベル2、1には避難情報はなく、防災気象情報のみが気象庁から出されます。

それでは、それぞれの避難情報を学んでいきましょう。
警戒レベル3の高齢者等避難は、災害のおそれがある状況で地区を特定し発令されます。避難を完了するのに時間がかかる高齢者や障害をもった方、これらの方々の避難を助ける人は、この段階で避難しましょう。また、それ以外の人も、避難の準備をしたり、自主的に避難したりしましょう。

警戒レベル4の避難指示は、災害のおそれが高い状況で地区を特定し発令されます。対象地域のみなさんは危険な場所から全員避難してください。
なお、警戒レベル4については、従前は避難勧告と避難指示に分かれていましたが、令和3年5月20日から、避難指示に一本化されました。

警戒レベル5の緊急安全確保は、災害がすでに発生した、または災害の発生が切迫している状況で地区を特定し発令されます。この時点では指定緊急避難場所などへ立退き避難することがかえって危険な場合もあるため、命の危険から身の安全を守るために自宅や近くの建物の安全な場所へ直ちに移動してください。
なお、警戒レベル5は、すでに安全な避難ができず命が危険な状況です。「緊急安全確保」を待ってはいけません、避難指示までに必ず避難してください。

続いて避難行動について説明します。

避難情報が発令された場合にとるべき避難行動には、立ち退き避難と屋内安全確保があります。
立ち退き避難は、危険な場所から、指定緊急避難場所や知人宅・ホテルなどの安全な場所に避難することです。
立退き避難を行う場合、冠水した道路では、ふたの外れたマンホールや側溝などが見えなくなるため、歩いて避難するのは非常に危険です。避難場所への移動は浸水が始まる前に行うことが基本です。

特に、お年寄りや障害のある人など避難に時間がかかる人は、移動時間を考えて早めに避難させることが大事です。夜中に大雨が予想される場合には、暗くなる前に避難することがより安全です。

一方、屋内安全確保は、上の階への移動や、高層階にとどまること等により、身の安全を確保することです。これはみなさん自らの判断により取りうる行動であり、平時から 水がどれくらいの高さまで来るかハザードマップなどを確認しておくことが重要です。

大雨の時に、川や用水路の様子を見に行ったことで流されて被害に遭う場合があります。大雨時には絶対に用水路を見に行くことはやめましょう。

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