AEDを用いた心肺蘇生法指導要領 (監修·制作協力:東京消防庁)
6.人工呼吸

胸骨圧迫を30回行ったあと、速やかに人工呼吸を2回行います。 人工呼吸を行うためにはしっかりとした気道確保を行うことが必要です。
では、ここで、気道確保の指導ポイントを聞いてみましょう。

「舌のつけ根がのどに落ち込んで気道閉塞状態になることを舌根沈下といいます。
これを防ぐための方法として頭を反らせてあご先を持ち上げる方法があります。
その指導法を説明します」

「まず、頭を後ろに曲げますが、勢いをつけると、首をいためてしまうことがありますので、やさしく,緩やかに行います。
このときの注意は、下顎にあてた二本の指で喉を締め付けないようにしましょう。
必ず、指先で顎を引っ掛けるようにして下さい。
手を全部使うと、首を絞めるようになり人命救助ができません」


続いて人工呼吸の指導ポイントを聞いてみましょう。
うまく胸が上がらない場合でも吹き込みは2回までとします。

「人工呼吸の2回は1回1秒かけて行います」

《1,2,3,4、、、》

「1秒かけて行う理由は、食道や胃に空気が入るのを防ぐためです。
一気に空気を吹き込むと胃の内容物が逆流することがあります。
口を覆う時は、相手の口をしっかり覆うように密着させます。
そして、吹き込む時は、風船を膨らます様にではなく、「ハァー」と吹き込みます」

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