平成21年版 消防白書

第2節 危険物施設等における災害対策

[危険物施設等における災害の現況と最近の動向]

危険物施設(P.60*2参照)における事故は、火災(爆発を含む。)と危険物(P.59*1参照)の流出に大別される。危険物施設の火災・流出事故件数は、昭和50年代中頃から緩やかな減少傾向を示していたが、平成6年(1994年)を境に増加傾向を示している。平成20年中に発生した火災・流出事故件数は、火災が176件(岩手県沿岸北部を震源とする地震による事故件数を除く。)、流出が384件(岩手・宮城内陸地震及び岩手県沿岸北部を震源とする地震による事故件数を除く。)で合計560件となっており、前年より43件の減と6年ぶりの減少となっている(第1-2-1図)。

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*2 危険物施設:消防法で指定された数量以上の危険物を貯蔵し、又は取り扱う施設として、市町村長等の許可を受けた施設で、以下のとおり、製造所、貯蔵所及び取扱所の3つに区分されている。

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*1 危険物:消防法(第2条第7項)では、「別表第一の品名欄に掲げる物品で、同表に定める区分に応じ同表の性質欄に掲げる性状を有するものをいう」と定義されている。
また、それぞれの危険物の「性状」は、「消防法別表第一 備考」に類別に定義されている。

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