平成21年版 消防白書

[風水害対策の現況]

1 風水害対策の概要

消防庁では、都道府県、市町村に対し風水害に対する警戒の強化、土砂災害対策の充実について、出水期前の時期を捉えて繰り返し呼びかけている。特に近年は、局地的大雨により中小河川が急に増水し災害を引き起こす事例が発生していることから、こうした事例に対しても注意を喚起している。
特に本年は、平成21年7月中国・九州北部豪雨、平成21年8月の台風第9号による大雨において、風水害が各地で発生したことから、消防庁では、地方公共団体に対し、避難勧告等の判断・伝達マニュアルの作成、災害時要援護者*1の避難支援対策の推進など、災害に的確に対応し得る体制の整備について改めて要請した。

*1 災害時要援護者:必要な情報を迅速かつ的確に把握し、災害から自らを守るために安全な場所に避難するなどの災害時の一連の行動をとるのに支援を要する人々をいい、一般的に高齢者、障害者、外国人、乳幼児、妊婦等があげられている。

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