平成21年版 消防白書

第2節 消防職団員の活動

1 活動状況

(1)出動状況

平成20年中における全国の消防職団員の出動状況をみると、火災等(火災、救助活動、風水害等の災害、特別警戒、捜索、誤報等及びその他をいう。)への出動回数は117万9,814回で、出動延人員は1,026万4,504人である。また、火災等への1日当たりの出動回数は3,232回、27秒に1回の割合で出動したことになる。
そのうち、消防団員の火災等への出動回数は28万1,032回、出動延人員は437万647人となっている(第2-2-1表)。

b2-2-1.gif

(2)消防団員の活動状況

日本では、全国各地で地震や風水害等の大規模災害がたびたび発生しており、多くの消防団員が出動し、常備消防と連携しながら、昼夜を分かたず多岐にわたる活動を行っている。
平成21年7月中国・九州北部豪雨、平成21年8月の台風第9号による大雨など、風水害における水防活動や住民の避難誘導、平成20年(2008年)岩手・宮城内陸地震発生時の消防団員の献身的な活動は、地域に大きく貢献している。
このように全国の消防団は、地域の防災力の中心として、不眠不休で果敢に活動し、被害の拡大防止や、地域住民の安心・安全の確保に貢献している。その支えとなっているのが、日頃の訓練と「自らの地域は自らで守る」という崇高な郷土愛護の精神である。消防団員は、地域に居住又は勤務する住民により構成され、地域に密着しており、地理や住民の居住先等の地域情報を十分に把握しているため、大規模災害時には特に能力を発揮している。
一方、平常時の活動としては、訓練のほか、応急手当等の普及・指導・講習会や住宅の防火訪問の実施、広報紙の発行など、各地で活発な取組が行われている。
このように、消防団は地域における身近な消防防災のリーダーとして、地域の安心・安全のため重要な役割を担っている。

関連リンク

はじめに
はじめに 我が国の消防は、昭和23年に消防組織法が施行され、市町村消防を原則とする自治体消防制度が誕生して以来、関係者の努力の積重ねにより制度、施策、施設等の充実強化が図られ、火災の予防、警防はもとより、救急、救助から地震、風水害等への対応まで広範囲にわたり、日々国民の安全の確保に努めているところで...
1 はじめに
特集 消防と医療の連携の推進 ~消防と医療の連携による救急搬送の円滑化~ 1 はじめに 救急業務は、国民の生命・身体を事故や災害、疾病等から守り、安心・安全な社会を確保するものであり、国民にとって必要不可欠な行政サービスとして定着している。 近年、医療の進歩とともに、傷病の発生初期に実施すると効果的...
2 救急搬送における医療機関の受入状況
2 救急搬送における医療機関の受入状況 全国各地における救急搬送時の受入医療機関の選定困難事案の発生を受けて、消防庁では救急搬送における傷病者の搬送・受入状況を把握するために、「救急搬送における医療機関の受入状況等実態調査」を実施し、平成19年における 〔1〕 重症以上傷病者搬送事...
3 消防法の改正
3 消防法の改正 (1)改正までの経緯 救急搬送における受入医療機関の選定が大変厳しい状況にあることを踏まえ、平成19年から平成20年にかけて「救急業務高度化推進検討会」に「消防機関と医療機関の連携に関する作業部会」を設け、円滑な救急搬送・受入医療体制を確保するための対策について検討が重ねら...