平成21年版 消防白書

2 住宅用火災警報器の設置の義務化

近年の住宅火災による死者数の増や、今後の高齢化進展を背景として、戸建てを含むすべての住宅を対象に住宅用火災警報器(以下本トピックスにおいて「住警器」という。)の設置を義務付ける消防法の改正が平成16年に行われた。平成18年6月から全国で義務化された新築住宅に続き、市町村条例で定めることとされた既存住宅への義務化についても、既に一部の地域(市町村が消防本部を設置している場合は当該消防本部の管轄区域、設置していない場合は当該市町村の区域をいう。以下本トピックスにおいて同じ。)においては始まっており、今後逐次拡大され平成23年6月までには全国で義務化される。このため、各地域においてはこうした義務化の動きを踏まえ普及促進の取組が活発に行われている。

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我が国に先立って義務化を進めた米国では、住宅への火災警報器の設置普及に伴い住宅火災による死者数が半減するという効果が現れており、我が国においても、住警器が早期に普及されることにより、住宅火災による死者の低減が期待される。

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