平成21年版 消防白書

トピックスIII 新たな形態の建築物や施設等に対応した防火対策

近年、社会情勢の変化に伴い建物利用の多様化・複合化が進展し、新たな建築構造や利用形態等を有する建物が次々と出現し、それらの建物において、多数の死傷者を伴う火災が発生している。平成20年10月には大阪市浪速区の個室ビデオ店、平成21年3月には群馬県渋川市の老人ホームにおいて火災が発生し、それぞれ死傷者25名、死傷者11名という多大な人的被害が生じている。また、平成21年7月に発生した大阪市此花区のパチンコ店における火災では、23名の死傷者が出ている。
消防庁では、これらの火災の発生を踏まえ、同様の被害を防止するため、防火安全対策を推進しているところである。

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