第3章 消防庁・消防機関等の活動
第2節 消防庁の対応
1 応急活動
消防庁では、3月11日14時46分の発災と同時に、消防庁消防・防災危機管理センター内に消防庁災害対策本部(本部長:消防庁長官)を設置し、震度6弱以上を観測した都道府県に対して適切な対応及び被害報告について要請するとともに、震度6弱以上を観測した都道府県及び該当県内各消防本部に直接被害状況の問い合わせを開始した。
しかし、発災初期は回線途絶や通信制限等により、電話、ファクシミリ等がつながりにくい状態となった。都道府県との通信回線については、衛星回線等により大きな問題が生じなかったが、被災地消防本部等との情報伝達に困難が生じた。被災地すべての消防本部と連絡がとれたのは、翌12日の朝であった。
消防庁では、被害の甚大さを踏まえ、3月11日15時40分、消防庁長官から緊急消防援助隊に対して、平成15年の緊急消防援助隊の法制化以降、初めて消防組織法(昭和22年法律第226号)第44条第5項の規定に基づく出動指示を行った(詳細は、本章第5節参照)。
また、迅速・的確な情報収集、緊急消防援助隊の派遣に係る円滑な連絡調整等を図るため、発災後直ちに職員を青森県、岩手県、宮城県、福島県及び茨城県の各県へ派遣した。
他方、福島第一原発3号機使用済み燃料プールへの放水活動をはじめとする福島原子力発電所事故への対応に際しても、現地に職員を派遣し、関係省庁及び消防本部等との連絡調整を行うとともに、消防庁長官から緊急消防援助隊に対して、消防組織法第44条第4項に基づく出動を求める等の対応を行った(詳細は、本章第10節参照)。
