令和3年版 消防白書

第1章 災害の現況と課題

第1節 火災予防

[火災の現況と最近の動向]

平成22年以降の出火件数をみると、おおむね減少傾向となっている。令和2年中の出火件数は、3万4,691件(対前年比2,992件減、同7.9%減)となっており、10年前(平成22年中)の出火件数4万6,620件の74.4%となっている。また、火災による死者数も、平成22年以降おおむね減少傾向にあり、令和2年中の火災による死者数は、1,326人(対前年比160人減、同10.8%減)で、10年前(平成22年中)の火災による死者数1,738人の76.3%となっている(第1-1-1図、資料1-1-9)。

第1-1-1図 火災の推移と傾向図

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第1-1-1図 火災の推移と傾向図

(備考)
1 「火災報告」により作成
2 各年の数値は、1月~12月に発生した火災を集計したもの、以下本節において、ことわりのない限り同じ。
3 「出火件数」、「死者数」、「出火件数比」、「建物焼損床面積比」、「死者数比」、「損害額比」は左軸を、「建物焼損床面積」、「損害額」は右軸を参照
4 「出火件数比」、「建物焼損床面積比」、「死者数比」、「損害額比」については、平成22年中の値を100とした比

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