令和3年版 消防白書

第3節 石油コンビナート災害対策

[石油コンビナート災害の現況と最近の動向]

1.事故件数と被害

令和2年中に石油コンビナート等特別防災区域(以下「特別防災区域」という。)の特定事業所*1で発生した事故総件数は267件で、地震及び津波による事故(以下「地震事故」という。)は発生しておらず、全て地震以外の事故(以下「一般事故」という。)であった。
一般事故の発生件数の推移をみると、平成元年以降、増加傾向にあり、令和2年中の事故は、過去最多件数を記録した一昨年に比べ、2年連続で事故件数は減少したものの、過去3番目に多い267件(対前年比17件減)を記録した(第1-3-1図)。
令和2年中、一般事故で死傷者の発生した事故は18件(対前年比7件減)で、死傷者の内訳は、死者1人(同1人増)、負傷者25人(同24人減)となっている(資料1-3-1)。

第1-3-1図 石油コンビナート事故発生件数の推移

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第1-3-1図 石油コンビナート事故発生件数の推移

*1 特定事業所:第1種事業所(石油の貯蔵・取扱量が1万キロリットル以上又は高圧ガスの処理量が200万立方メートル以上等である事業所)及び第2種事業所(石油の貯蔵・取扱量が1千キロリットル以上又は高圧ガスの処理量が20万立方メートル以上等である事業所)をいう。

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