令和3年版 消防白書

5.千葉県北西部を震源とする地震による被害及び消防機関等の対応状況

(1)災害の概要

ア 地震の概要

令和3年10月7日22時41分、千葉県北西部を震源とするマグニチュード5.9の地震が発生し、埼玉県川口市、宮代町、東京都足立区で最大震度5強を観測した。

イ 被害の状況

この地震により、震度5弱以上を観測した埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県などで転倒等による重傷6人、軽傷43人の人的被害が発生した(令和3年11月26日現在)。
また、エレベーターの閉じ込めによる救助要請(東京消防庁管内で5件)があったほか、鉄道の運転見合わせにより、ターミナル駅において多くの滞留者が発生した。

(2)政府の主な動き及び消防機関等の活動

ア 政府の主な動き

政府においては、地震発生後直ちに官邸対策室を設置した。同日23時03分には、関係省庁の局長等で構成される緊急参集チームによる協議が開始され、被害情報の収集等を行った。

イ 消防庁の対応

消防庁においては、地震発生後、直ちに消防庁長官を長とする消防庁災害対策本部を設置(第3次応急体制)し、震度5弱以上を観測した埼玉県、千葉県、東京都及び神奈川県に対して、適切な対応及び被害報告について要請するとともに、震度5弱以上を観測した消防本部及び市区町村へ直接問い合わせ、被害状況の早期の把握に努めた。

ウ 被災自治体の対応

地震発生により埼玉県、千葉県、東京都及び神奈川県では、警戒体制等の体制をとり被害情報の収集等を行った。また、千葉県、東京都及び神奈川県では、帰宅困難者のために一時滞在施設を開設するなど、その対応に当たった。

エ 消防機関の活動

被災地の消防本部では、119番通報の入電に対応するとともに、ヘリコプターによる情報収集活動を実施した。

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