令和3年版 消防白書

3.消防団の充実強化施策

(1)報酬等の処遇改善

ア これまでの取組

消防庁ではこれまでも年額報酬の引上げや活動実態に見合う出動手当の引上げについて市町村に繰り返し要請してきており、年額報酬の平均額は29,707円(平成26年4月1日現在)から31,072円(令和3年4月1日現在)まで増額された。また、報酬を支給しない「無報酬団体」は平成27年度に解消したほか、報酬が1万円未満の市町村も、令和3年4月1日現在で2団体まで減少した。一方、出動手当については、市町村ごとに支給方法、金額は様々となっている。
また、消防団員が公務により死傷した場合には、ほかの公務災害補償制度に準じて補償が受けられるほか、消防団員が退職した際には、条例で定めるところにより、退職報償金が支給されることとなっている(資料特-3-13-4)。

イ 「非常勤消防団員の報酬等の基準」の策定

令和3年4月に検討会から消防団員の適切な報酬等のあり方について中間報告書が取りまとめられたことを受け(報酬等のあり方については中間報告書をもって同検討会の結論とされている)、同年4月13日、消防庁において「非常勤消防団員の報酬等の基準」(以下、本特集において「基準」という。)を策定し、都道府県知事等に通知した(特集3-12図)。基準では、消防団員への報酬は年額報酬と出動報酬の2種類とし、年額報酬は「団員」階級の者については36,500円、出動報酬は災害時1日当たり8,000円を標準額とすることや、報酬等は消防団員個人に対し、活動記録等に基づいて市町村から直接支給することなどを定め、令和4年4月1日からの基準の適用に向け条例改正等に取り組むよう市町村に要請した。報酬等は、個人に直接支給されるべきものであることから、その徹底を要請している。
その後、都道府県に対する説明会や各市町村の取組状況のフォローアップ等を行いながら、各地方公共団体に対し働き掛けを実施している。

特集3-12図 消防団員の報酬等の基準

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特集3-12図 消防団員の報酬等の基準

(2)消防団に対する理解の促進

地域の安全、安心に欠くことのできない消防団活動について広く認識・評価されることが、消防団員の処遇改善や、今後の団員確保につながるものと考えられることから、消防庁としては以下のような消防団への加入促進策や消防団活動の発信・表彰等の取組を実施している。

ア 消防団員入団促進キャンペーンの全国展開

消防団員の退団が毎年3月末から4月にかけて多く、退団に伴う消防団員の確保の必要性があることを踏まえ、毎年1月から3月までを「消防団員入団促進キャンペーン」期間として、入団促進に向け、消防団員募集ポスターやリーフレットを作成して全国の市町村・消防本部等に配布するなどにより、広報の全国的な展開を重点的に行っている。令和3年度は、より若年層等に対する広報を強化するため、前年度の取組に加え、ウェブサイト上や電車内モニターに広告を掲出するなどの取組を実施している。

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消防団員募集ポスター
消防団員募集ポスター

イ 消防団活動のPR

消防庁ホームページにおいて、消防団の特設コーナーを設置し、消防庁における最新施策や最新情報のほか、各消防団における取組事例等を掲載し、消防団活動や加入促進のPRに努めている。令和2年度には、ホームページの内容の充実を図るとともにリニューアルを実施し、よりアクセスしやすいホームページ作成に努めている。
(参照URL:https://www.fdma.go.jp/syobodan/
また、地域住民に消防団をより身近なものとして知ってもらうため、平成29年度から毎年度、各都道府県及び市町村から消防団に関する動画作品を募集し、優秀な作品を表彰する「消防団PRムービーコンテスト」を実施している。

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消防団のオフィシャルウェブサイト
消防団のオフィシャルウェブサイト

ウ 消防団等充実強化アドバイザーの派遣

平成19年4月から、消防団の充実強化等に関する豊富な知識や経験を有する消防職団員等を、「消防団等充実強化アドバイザー」として地方公共団体等に派遣し、消防団への加入促進、消防団の充実強化等を図るための具体的な助言や情報提供を行っている。
令和3年4月1日現在、28人のアドバイザー(うち女性9人)が全国で活躍している。

エ 地域防災力充実強化大会等の開催

消防団等充実強化法の成立等を踏まえ、地域防災力の充実強化を図るため、「地域防災力充実強化大会」を平成27年度以降開催している。令和3年度は、令和3年11月20日、長崎県島原市において開催した。
また、地域における活動を推進するとともに、消防団員の士気の高揚を図るため、全国各地で活躍する消防団員による意見発表会を毎年度開催している。令和3年度は、令和4年2月18日に開催予定となっている。

オ 総務大臣による感謝状の贈呈

消防団員の確保等に積極的に取り組む消防団に対し、平成25年度より、総務大臣から感謝状を贈呈している。令和2年度は、前年度に比べて総団員数又は女性・学生消防団員数が相当数増加した47の消防団に対し、総務大臣から感謝状を贈呈した。

カ 消防庁長官による表彰

自然災害や大規模事故等の現場において、顕著な活動実績が認められる消防団等に対し、防災功労者消防庁長官表彰を行っており、令和2年度には9団体が受賞した。
また、平常時の活動により、地域防災力の向上に寄与し、地域住民の安全の保持、向上に顕著な功績があり、全国の模範となる消防団や団員確保について特に力を入れている消防団、また消防団活動に特に深い理解や協力を示し、消防団員である従業員を雇用しているなどの事業所等に対し、消防団等地域活動表彰を行っており、令和2年度には、消防団表彰を18団体、事業者表彰を20事業所が受賞した。

(3)幅広い住民の入団促進

ア 社会環境の変化等に対応した制度等の導入

多様な住民が消防団に参画するためには、基本団員の充実を前提としながらも各団員の得意分野を活かせる機能別団員や機能別分団の創設が有効であると考えられる。また、定年制度の見直しや、居住者だけでなく通勤・通学者も加入対象とするなど、幅広い層の人材が入団できる環境の整備を図ることが必要である。
令和元年度には、消防庁長官から都道府県知事等に対し通知(以下「令和元年消防庁長官通知」という。)を発出し、「大規模災害団員」等の機能別団員・機能別分団制度を導入していない市町村に対し、制度導入の早急な検討や、消防職団員OBを「大規模災害団員」等の消防団員として位置付けるなどの取組を行うよう要請したほか、消防団員の退団対策として、休団制度の活用の検討や定年年齢の60歳以上への引上げを令和4年3月末日までに行うこと等を要請した。

イ 被雇用者の入団促進

(ア)事業所等への働き掛け
被雇用者である消防団員の割合の増加に伴い、消防団員を雇用する事業所の消防団活動への理解と協力を得ることが不可欠となっている。そのため、平成18年度から、「消防団協力事業所表示制度」の普及及び地方公共団体による事業所への支援策の導入促進を図っている(特集3-13図)。令和3年4月1日現在、当該制度を導入している市町村の数は1,340、市町村消防団協力事業所の数は17,065となっている。令和元年消防庁長官通知では、制度を導入していない市町村に対し、令和4年3月末日までに制度が導入されるよう早急に取り組むことを要請した。
また、市町村消防団協力事業所のうち、特に顕著な実績が認められる事業所を総務省消防庁消防団協力事業所として認定しており、令和3年4月1日現在、認定事業所数は808となっている。なお、消防庁認定に当たっては、複数の事業所を持つ企業等は、企業等全体での認定も可能である。

特集3-13図 消防団協力事業所表示制度

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特集3-13図 消防団協力事業所表示制度

(イ)公務員の入団促進
消防団等充実強化法において、公務員の消防団員との兼職に関する特例規定が設けられた。この規定により、国家公務員の消防団への加入を容易にする環境整備がなされたことを踏まえ、職員の消防団への加入を促進するよう、各府省や地方公共団体に対し働き掛けを行っている。
また、令和元年消防庁長官通知では、市町村職員等の消防団への加入促進を図ることなどを要請した。

ウ 女性の入団促進

(ア)消防団への加入促進
女性消防団員の割合は年々増加しているが、未だその数は少数にとどまっている。一方、消防団活動が多様化する中で、災害時の後方支援活動、避難所の運営支援等をはじめ、住宅用火災警報器の設置促進、火災予防の普及啓発、住民に対する防災教育・応急手当指導等、広範囲にわたる女性消防団員の活躍が期待されており、今後さらなる女性の加入促進に取り組む必要がある。
令和元年消防庁長官通知では、女性の消防団への参加を促すとともに、女性消防団員が所属していない消防団について、令和4年3月末日までに女性消防団員が所属するよう早急に取り組むこと等を要請した。また、毎年1~3月に実施している「消防団員入団促進キャンペーン」に併せて、女性向けの消防団員募集リーフレットを全国の市町村、消防本部等に配布し、女性に対する周知を図っている。

(イ)女性消防団員の活躍の促進
消防庁ホームページ内に女性の消防団への加入促進を図るためのポータルサイトを開設し、女性消防団員の活躍の様子や活動事例等を掲載している。
また、女性消防団員の活動をより一層、活性化させることを目的として、「全国女性消防団員活性化大会」を毎年度開催している。全国の女性消防団員が一堂に会し、日頃の活動成果を紹介するとともに、意見交換を通じて連携を深めている。
令和3年度は、徳島県徳島市において第26回大会を開催予定であったが、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から中止することとした。

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消防団オフィシャルウェブサイト内「女性消防団員コーナー」
消防団オフィシャルウェブサイト内「女性消防団員コーナー」

エ 学生の入団促進

学生は、現在又は将来の消防団活動の担い手として期待されることから、積極的な入団促進に取り組む必要がある。

(ア)学生消防団活動認証制度
消防団に所属する大学生、大学院生、専門学校生等に対する就職活動支援の一環として、平成26年11月から「学生消防団活動認証制度」の普及を図っている。この制度は、真摯かつ継続的に消防団活動に取り組み、顕著な実績を収め、地域社会に多大な貢献をした学生消防団員に対し、市町村がその実績を認証するものである。
令和3年4月1日現在、当該制度を導入している市町村の数は333となっている(特集3-14図)。消防庁では、特に大学等が管内に所在する市町村において令和4年3月末日までに制度が導入されるよう早急に取り組むことなどを令和元年消防庁長官通知で要請しており、今後も引き続き導入に向けた働き掛けを行っていく。

特集3-14図 学生消防団活動認証制度

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特集3-14図 学生消防団活動認証制度

(イ)大学等の協力
平成25年12月、消防団等充実強化法の成立と併せて、文部科学省と連携し、大学等に対して消防団活動のための適切な修学上の配慮等を依頼した。また、文部科学省と協力し、全国国立大学学生指導担当副学長協議会に消防庁職員を派遣するなど、機会を捉えて積極的な働き掛けを行ってきた。
あわせて、平成28年には、文部科学省及び各国公私立大学長に対し、大学生の消防団への加入促進等について通知を発出した。その通知において、課外活動等の一つとして消防団活動を推奨するなど、学生の消防団活動への一層の理解促進や、学生が消防団活動に参加しやすい環境づくりに配慮するよう依頼した。
加えて、「消防団員入団促進キャンペーン」の実施に併せて、大学構内向け消防団員募集広告の掲示やポスターの配布等により、学生への理解促進を図っている。

オ 将来の担い手育成

災害が多発化・激甚化する中、自らの安全を守る能力を幼い頃から継続的に育成していく防災教育について、その充実に取り組むことが重要である。防災教育に、地域防災力の中核を担う消防団員等が積極的に携わっていくことは、消防団の活動に対する理解、ひいては地域防災力の向上にもつながるものである。
このため、消防庁では、文部科学省と連携し、「児童生徒等に対する防災教育の実施について」(令和3年12月1日付け通知)を発出し、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校において消防団員等が参画し、体験的・実践的な防災教育の推進に取り組むよう要請した。
また、高校生は、未来の消防団を担う層として、学業との両立に留意しつつ、早い段階で、消防団への加入に向けた意識啓発を行うことが重要であることから、消防庁では、各地方公共団体に対し、高校生の機能別分団への入団の検討等について要請するとともに、文部科学省と連携し、都道府県等の教育委員会等に対し周知した。

カ 加入促進のための先進的な取組の支援

女性や若者をはじめとした消防団員を更に増加させるため、消防庁として、平成27年度から、地方公共団体が企業や大学等との連携により、女性や若者等の消防団への加入促進を図る取組を支援しており、令和2年度までに206件の事業を実施している。

キ 新たな社会環境に対応する団運営

災害の多発化・激甚化等を踏まえ消防団に求められる役割が多様化していることや、共働き世帯が年々増加していること、全団員に占める被雇用者の割合が増加していることなど、消防団を取り巻く社会環境が変化する中で、消防団の運営に当たり、消防団内部での幅広い意見交換や、市町村・地域住民との連携がより重要となっている。消防庁では、ホームページにおいて、地域との連携強化など、団運営の優良事例について情報提供を行っており、今後も幅広い住民が参加しやすい運営に向けた支援を行っていく。

(4)平時の消防団活動のあり方

ア 地域の実態に即した災害現場で役立つ訓練

近年頻発する豪雨災害などにおいては、消防団員が住民の避難誘導・支援や、逃げ遅れた方の救命ボートによる救助を実施するなど、消防団が果たす役割は多様化している。こうした活動を安全に実施するためにも、風水害や地震、豪雪等、火災以外の災害に対応する訓練の重要性がますます高まっている。
消防庁では、救助活動用資機材等の整備に対する国庫補助や、救助用資機材等を搭載した多機能消防車の無償貸付け事業(詳細は(5)及び特集4を参照)を行い、消防団の訓練等を支援しているほか、消防団にとって有効だと考えられる、地域の実態に即した災害現場で役立つ訓練事例等について情報提供等を行っており、今後も引き続き、様々な訓練の実施に資する支援を行っていく。
一方で、様々な訓練を実施することが消防団員にとって過大な負担となる恐れがあることから、団員に過重な負担がかからないよう真に必要な訓練を効率的なスケジュールで実施するなど、地域の実情に応じて創意工夫を図ることが必要である。

イ 操法訓練・操法大会

消火活動の技術力の高さを競い、ひいては消防団全体の技術の向上を図るため、全国、都道府県、市町村など、それぞれの段階で操法大会が運営されている。
操法大会については、近年、大会を過度に意識した訓練の実施や、大会での行動の形式化といった指摘があることにも配意しつつ、適切な大会運営に努める必要がある。全国消防操法大会については、主催者のひとつである(公財)日本消防協会が中心となって、見直しの検討を行うこととしている。

(ア)全国消防操法大会の開催
消防団員の消防技術の向上と士気の高揚を図るため、「全国消防操法大会」を開催している。令和3年度は、千葉県市原市において第28回大会を開催予定であったが、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、中止することとした。

(イ)全国女性消防操法大会の開催
女性消防団員等の消防技術の向上と士気の高揚を図るため、「全国女性消防操法大会」を開催しており、令和元年度は、11月13日、神奈川県横浜市において第24回大会を開催した。

(5)装備等の充実

ア 消防団の装備の充実強化

消防団等充実強化法の成立を契機として、消防庁では、消防団の装備等の充実強化に向け、平成26年の「消防団の装備の基準」の改正のほか、以下の取組を行っている。

(ア)消防団の救助用資機材等の整備に対する国庫補助
「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」に引き続き、令和2年12月11日に閣議決定された「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」として、消防団の災害対応能力の向上を図るため、国庫補助金(消防団設備整備費補助金(消防団救助能力向上資機材緊急整備事業))を創設した(詳細は特集4を参照)。
本補助金の積極的な活用を通じ、消防団の装備の充実及び災害対応能力の向上を進めている。

(イ)救助用資機材等を搭載した多機能消防車の無償貸付
同じく5か年加速化対策として、市町村に対し、救助用資機材等を搭載した多機能消防車両を無償で貸し付け、訓練等を支援している(詳細は特集4を参照)。

(ウ)救助用資機材等の無償貸付
平成29年度から3か年かけて、全都道府県の消防学校に対し、情報収集活動用資機材(オフロードバイク、ドローン)や、女性・若者が扱いやすい小型動力ポンプを無償で貸し付け、消防学校での消防団員に対する訓練を支援した。
また、令和2年度から、市町村に対し、災害対応能力の向上のための救助用資機材等(発電機や投光器、ボート等)を無償で貸し付け、消防団員に対する訓練を支援している。

(エ)消防団拠点施設及び地域防災拠点施設の整備
各市町村が消防団拠点施設や地域防災拠点施設において標準的に備えることを要する施設・機能(研修室、資機材の収納スペース、男女別の更衣室・トイレ等)について、緊急防災・減災事業債をはじめとする地方財政措置等の活用により整備することを促進している。

イ 教育・訓練の充実

消防団の現場のリーダーの教育訓練の充実を図るため、平成26年3月に「消防学校の教育訓練の基準」を改正したほか、火災防御、救助救命、避難誘導等における的確な現場指揮、安全管理の知識及び技術の向上や、自主防災組織等への指導・育成を消防団員が行う上で必要となる教育用教材を作成し、平成26年度から消防学校に配布している。
また、令和2年度から、消防団員が救助用資機材等を安全で円滑に利用できるようにするため、都道府県の消防学校に講師を派遣し、救助用資機材等の技術講習を実施している。

ウ 準中型自動車免許の新設に伴う対応

道路交通法の改正により、平成29年3月12日から、準中型自動車免許が新設されるとともに、同日以後に取得した普通自動車免許で運転できる普通自動車の範囲は車両総重量3.5トン未満等とされた。これに伴い、車両総重量3.5トン以上の消防自動車を所有している消防団において、将来的に当該自動車を運転する消防団員の確保が課題となる。
そこで、消防庁では、平成30年1月25日、各地方公共団体に対し、消防団員の準中型自動車免許の取得に係る公費助成制度の新設及び改正道路交通法施行後の普通自動車免許で運転できる消防自動車の活用を依頼した。当該公費助成制度を設けた地方公共団体に対しては、平成30年度から特別交付税による地方財政措置を講じている(特集3-15図)。
さらに、令和3年度には、地域ごとの課題に対しきめ細かく対応するため、消防団員が教習を優先的に予約することを可能とするなどの内容のモデル事業を実施している。
また、普通自動車免許で運転可能な車両総重量3.5トン未満の消防車両の活用・普及にも取り組んでいる。
今後とも、消防団の実情を注視し、消防団車両の運行に支障が生じないよう努める。

特集3-15図 消防団員の準中型自動車免許取得に係る公費負担制度を設けている市町村数の推移

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特集3-15図 消防団員の準中型自動車免許取得に係る公費負担制度を設けている市町村数の推移

(備考)「消防団の組織概要等に関する調査」により作成

エ 消防団員のマイカー共済

消防団の活動に際しては、自家用自動車を使用する消防団員が多い中、令和元年東日本台風(台風第19号)による災害出動などに伴い、消防団員が使用した自家用自動車が水没する被害が生じた。
このような急を要する活動のために、消防団員がやむを得ず、自家用自動車を使用した場合において、原則、消防団員に個人的負担を生じさせることなく、安心して活動に従事してもらうことが必要であることから、消防団活動を下支えする取組として、令和2年4月1日から、公用車の損害共済事業を実施する法人が、消防団員が災害活動等で使用した自家用自動車等に生じた損害を補償する共済を開始した。あわせて、市町村が当該法人に支払う分担金に対しては、令和2年度から特別交付税による地方財政措置を講じている。さらに、一部の民間損害保険会社において、同様の保険商品が販売されており、市町村が支払う保険料についても、令和3年度から特別交付税による地方財政措置を講じることとしている。

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