3.災害時のボランティア活動の役割

次に、災害時にどのようなボランティア活動が求められるのか、主なものを日本赤十字社の資料などに従ってご説明しましょう。

災害時のボランティア活動は、被災地内の活動と被災地の外での後方支援活動があります。

被災地内での活動です。
まず、避難所の運営、炊き出し、物資の仕分け・配布など被災地での被災者への直接の支援活動があります。これらの活動には、ボランティアだからこそできる領域があり、しかも大規模で長期化するような災害では、被災者の個人的なニーズが増大し、救援活動全体の中でも質量ともに重要な部分を占めるようになります。

一方、間接的な支援活動もあります。たとえば、ボランティアの活動拠点の運営です。多数のボランティアが被災地の外から駆けつけたとき、被災地のニーズとボランティア活動とを調整する場や情報提供・情報交換を行う場が必要になります。ボランティアの活動拠点はその場を提供するものですが、その運営もボランティア自身が担うことになります。被災地では、こうした間接的な支援も、被災地での効果的なボランティア活動に欠かせないものになります。

次に、被災地の外での後方支援活動です。
被災地でのボランティア活動を支えるための資金や資機材の支援といったボランティア活動は、被災地の外でも行える活動です。
もちろん、被災地へ救援物資を送るというのも被災地外での有効なボランティア活動です。
ただ、救援物資を送る際には一工夫が求められます。やみくもに救援物資を送ることは、かえって被災地を混乱させる可能性があるからです。被災地で必要とされているものを確認して物資の内容を決定したり、送る物資の内容を整理して箱のおもてに表示するといったことを心がけましょう。

最後に、被災地の内外で活動するボランティアの例として「情報ボランティア」があります。ボランティア情報を集約し発信するものです。情報ボランティアが発信する情報は、被災地と被災地の外をつなぐ上で欠かせないものになっています。

このように、災害時のボランティア活動には、被災地の中で期待される活動も被災地の外で期待される活動もさまざまです。
情報を十分把握して、自分なりにできることからスタートすることが大切でしょう。