防災教育の普及啓発
3.防災教育の例(2)

 2つ目の例として、和歌山県海南市では、今回の震災による岩手県釜石市の成功例を踏まえ、訓練の企画から実施に至る過程に地元の小学生を参画させていました。これにより、大人も触発されて訓練に積極的に参加するようになり、住民全体への防災教育の普及啓発の効果が現れています。

 3つ目の例として、岩手県大船渡市綾里小学校では、明治三陸津波災害の教訓をもとに、積極的に防災教育を推進してきました。特に注目すべき取組としては、同校の元小学校長が、平成18年に祖父から聞いた体験談や津波の資料から作成した三陸津波を題材にした脚本をもとに、子どもたちが創作劇を行ったことです。この創作劇を通じて、大人たちと津波の悲惨さや命の尊さを共有してきました。このような取組の結果、今回の震災では、児童・生徒約140人は、教員の指示で素早く高台に避難し、全員が難を逃れることができました。


 これらの例のように、学校教育と連動した防災教育の取組は、全国どこでも実施が可能であり、かつ効果的なものといえるでしょう。

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