平成21年版 消防白書

3 地方公共団体における国民保護計画の整備

(1)消防庁による国民保護モデル計画

消防庁では、地方公共団体の国民保護計画の作成に当たり、「都道府県国民保護モデル計画」(平成17年3月)及び「市町村国民保護モデル計画」(平成18年1月)(消防庁ホームページ参照 URL:http://www.fdma.go.jp/neuter/topics/fieldList2_1.html)を作成し、各地方公共団体に対して技術的助言を行った。

(2)都道府県国民保護計画

都道府県の国民保護計画では、基本指針に基づき、当該都道府県の地域における国民保護措置の総合的な推進に関する事項、当該都道府県が行う国民保護措置に関する事項やその実施体制、市町村の国民保護計画及び指定地方公共機関の国民保護業務計画の作成の基準となるべき事項等を定めることとされている。都道府県が国民保護計画を変更する際には、基本指針や指定行政機関及び他の都道府県の国民保護計画と整合性等を確保する観点から、内閣総理大臣に協議しなければならないこととされている。各都道府県においては、国民保護訓練の結果等を踏まえ、さらに迅速かつ的確な対応をとるべく随時計画の見直しを実施している。

(3)市町村国民保護計画

市町村の国民保護計画では、都道府県の国民保護計画に基づき、当該市町村の地域における国民保護措置の総合的な推進に関する事項、当該市町村が行う国民保護措置に関する事項や実施体制等を定めることとされている。また、市町村が国民保護計画を作成又は変更する際には、都道府県や他の市町村の国民保護計画との整合性等を確保する観点から、都道府県知事に協議しなければならないこととされている。
市町村の国民保護計画は、平成21年10月1日現在で全国1,796団体のうち15団体が未作成となっており、消防庁として都道府県に対し、市町村に対する的確な助言や速やかな協議の実施を要請している。
市町村は、武力攻撃事態等においては、警報や避難の指示の住民への伝達、避難住民の誘導、安否情報の収集・提供など直接住民と接する非常に重要な役割を担うこととされている。このため、夜間・休日等を問わずに起きる事案に的確に対応できるような24時間の即応体制を構築しておくことが求められる。また、避難住民の適切な誘導のため、日ごろから消防団や自主防災組織、警察等との連携・協力関係を構築しておくことが非常に重要である。

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