平成30年に発生した自然災害に学ぶ
4.雪害

日本では、国土の半分以上が豪雪地帯に指定されており、約2,000万人もの人々が豪雪地帯で生活を営んでいます。雪害の代表的なものとしては、雪崩、除雪中の転落事故などの豪雪地帯特有の災害のほか、路面凍結などによる交通事故や歩行中の転倒事故など、豪雪地帯以外でも発生する災害もあります。また、雪害には、地域住民だけでなく、冬山登山やスキー、観光などで豪雪地帯を訪れる多くの人々が被害に遭っています。
平成30年では普段雪の少ない地域にも大雪が観測されました。特に、2月には強い冬型の気圧配置が続いたことにより、福井県では37年ぶりに積雪が140cmを超える大雪に見舞われ、九州や四国などでも積雪となったところがありました。
この2月4日からの大雪では北日本から西日本にかけての日本海側を中心に大雪となり、死者22名の人的被害のほか、40件を超える住家の全半壊や浸水などの被害が発生し、今回の大雪による死者の多くが除雪作業中の高齢者でした。(平成30年2月16日現在)


今回の豪雪に限らず、大雪による死者の多くが除雪作業中での事故です。除雪中の事故は、自宅など建物の屋根雪下ろしや雪かき等の作業中に発生しており、中でも高齢者の比率が高いことが特徴です。また、一人での作業中に多く発生していますので家族やとなり近所に声をかけるなどをして、除雪は必ず2人以上で行いましょう。

除雪中の事故の危険を理解し、除雪作業前に事故防止のポイントを確認しましょう。命を守る除雪中の事故防止のポイントは以下の10箇条です。
・作業は家族、となり近所にも声をかけて2人以上で
・建物のまわりに雪を残して雪下ろし
・晴れの日ほど要注意、屋根の雪がゆるんでいる
・はしごの固定を忘れずに
・エンジンを切ってから、除雪機の雪詰まりの取り除き
・低い屋根でも油断は禁物
・作業開始直後と疲れたころは特に慎重に
・面倒でも命綱とヘルメットを
・命綱、除雪機など用具はこまめに手入れ・点検を
・作業の時は携帯電話を持っていく

除雪作業以外にも、大雪の際は車や徒歩での移動の際も注意が必要です。雪の少ない地域でも、内閣府のホームページなどで雪害対策の情報を事前に確認し、積雪や凍結に注意しましょう。

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