救命処置
9.救命の連鎖(7)~ 一次救命処置(AEDの使用手順)

  心肺蘇生を行っている途中で、AEDが届いたらすぐにAEDを使う準備を始めます。
 AEDにはいくつかの種類がありますが、どの機種も同じ手順で使えるように設計されています。AEDは電源が入ると音声メッセージと点滅するランプで、あなたが実施すべきことを指示してくれますので、落ち着いてそれに従ってください。
 AEDの準備中も心肺蘇生を続けてください。
 
1.AEDの到着と準備
(1)AEDを傷病者の近くに置く
 ・AEDを傷病者の近くに置きます。ケースから本体を取り出します。

(2)AEDの電源を入れる
 ・AEDのふたを開け、電源ボタンを押します。ふたを開けると自動的に電源が入る機種もあります。
 ・電源を入れたら、以降は音声メッセージと点滅するランプに従って操作します。
(3)電極パッドを貼る
 ・傷病者の衣服を取り除き、胸をはだけます。
 ・電極パッドの袋を開封し、電極パッドをシールからはがし、粘着面を傷病者の胸の肌にしっかりと貼り付けます。
 ・機種によっては電極パッドのケーブルをAED本体の差込口(点滅している)に入れるものがあります。
 ・未就学児にAEDを使用するときは、小児用パッドを使用してください。AEDの種類によっては、小児用パッドがなく成人用/小児用の切替えスイッチで対応するものもあります。小児用パッドや切り替えスイッチがない場合には、成人用パッドを使用します。
 
2.心電図の解析
 電極パッドを貼り付けると"体に触れないでください"などと音声メッセージが流れ、自動的に心電図の解析が始まります。このとき、「みなさん、離れて!!」と注意を促し、誰も傷病者に触れていないことを確認します。
 一部の機種には、心電図の解析を始めるために、音声メッセージに従って解析ボタンを押すことが必要なものがあります。
 "ショックは不要です"などの音声メッセージが流れた場合は、ただちに胸骨圧迫を再開します。
 
3.電気ショック
 AEDが電気ショックを加える必要があると判断すると"ショックが必要です"などの音声メッセージが流れ、自動的に充電が始まります。充電には数秒かかります。
 充電が完了すると、"ショックボタンを押してください"などの音声メッセージが出て、ショックボタンが点灯し、充電完了の連続音が出ます。
 充電が完了したら、「ショックを行います。みなさん、離れて!!」と注意を促し、誰も傷病者に触れていないことを確認し、ショックボタンを押します。
 
4.心肺蘇生の再開
 電気ショックが完了すると、"ただちに胸骨圧迫を開始してください"などの音声メッセージが流れますので、これに従って、ただちに胸骨圧迫を再開します。
 
5.AEDの手順と心肺蘇生の繰り返し
 心肺蘇生を再開して2分ほど経ったら、再び、AEDが自動的に心電図の解析を行います。音声メッセージに従って傷病者から手を離し、周りの人も、傷病者から離れます。
 以後は、< 2 心電図の解析、3 電気ショック、4 心肺蘇生の再開>の手順を、約2分間おきに繰り返します。

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