大地震に備えた責務
5.あなたのご家族に、介護を必要とする方がいらっしゃいますか? 解説

特に、同居している家族の中に子どもや高齢者などの要介護者がいる場合、参集の際にさまざまな葛藤が生じます。

家族の中に要介護者がいる人とそれ以外の人に分けて、震災後初めて公務に従事した時期を比較したデータでは、両者に特に大きな違いは見られませんでした。ところが、公務に就く際に家族から離れることへのためらいという点について見ると、要介護者がいる方の方がためらいを感じていた割合が高くなっています。

一方、要介護者の保護のために発災初期の段階で参集できなかった人もいます。その中には、参集できなかったことに対して自責や後悔の気持ちを持っている人もいます。ある人は親の面倒を見る人がおらず、市内に居住しているにも関わらずすぐに参集できなかったことを申し訳なく悔やんでいました。

同居しているかどうかに関わらず、家族の安否や安全の確保は、一人一人の職員にとって、大地震後の最大の問題です。この問題を解決できなければ、たとえ、職務に就いたとしても全力で遂行することは難しいでしょう。職業人としての自分と家族の一員としての自分を両立させるためには、相当な努力が必要です。「その時」後悔しないよう、日頃から、家屋の耐震化や家具の固定など被害を防ぐための対策をとっておくことが望まれます。

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