油流出事故対策(監修:独立行政法人 海上災害防止センター)
6.オイルフェンス展張方法

 オイルフェンスの展張方法としては、展張したときの形状面から見て、8種類があげられます。

1.包囲展張
 一般的に行われる方法で、風潮流がいずれの方向から来ても対応できるように事故船(流出油源)を包囲します。

2.待受展張
 風潮流が一定で、油が流れて行く方向が常に一定している場合、風(流)下側で待ち受ける方法です。

3.閉鎖展張
 運河など水路を閉鎖する方法。船舶の航行を妨げること、流れの影響を受けやすいことから、展張場所が限定されます。

4.誘導展張
 流れが強く油の包囲や回収がうまく行きそうにない場合、オイルフェンスを流れに対し斜めに展張し、油を回収しやすい水域に導いたり、流向を変えることで、油の影響を受けやすい地域を保護する方法です。

5.曳航展張
 油がくぐり抜けない程度の速力でオイルフェンスを曳航する方法です。

6.流し展張
 油を包囲した時、海流などが強いため、オイルフェンスを固定すると油がくぐり抜ける場合や、付近の水深が深く固定できない場合、包囲したまま回収や曳航しやすい場所まで漂流させる方法です。

7.ドレッジング展張
 流し展張の一形態で、オイルフェンスの固定用ロープの先にチェーンなど抵抗物を取付けて、漂流相対速度を減らす方法です。

8.多重展張
 これまでの展張方法を組合わせて何重にも展張する方法です。

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