総務省消防庁
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消防団員の処遇について

 多くの市町村で、年額報酬や災害等で出動した際の出動報酬などが支給されるほか、以下のような待遇もあります。

  • 活動で死傷した場合には、「公務災害補償」の対象となります。
  • 退職時には、勤続年数に応じて、「退職報償金」が支給されます。
  • 入団時には、活動に必要な被服が貸与されます。
  • 市町村によっては、日頃の活動を称えるための表彰制度があります。

報酬と費用弁償について

 市町村は、条例に基づき、消防団員に対し、その労苦に報いるための年額報酬及び出動報酬、出動に伴う交通費を支給しています。
 支給額については、各地域の事情により必ずしも同一ではないものの、総務省消防庁では、「非常勤消防団員の報酬等の基準」(令和3年4月13日付消防庁長官通知)において、「団員」階級の方の年額報酬の額と災害に関する出動報酬の額について、以下のとおり、標準額を定めています。
 支給額の低い市町村においては、この基準の趣旨にかんがみ、支給額の引上げなど、消防団員の処遇改善に向けた適正化を図る必要があります。

<「非常勤消防団員の報酬等の基準」の概要>

「非常勤消防団員の報酬等の基準」の制定の説明画像

その他(適切な予算措置、留意事項等)の説明画像

※「非常勤消防団員の報酬等の基準」は全文こちら

 なお、報酬等については、上記のとおり、団員個人に対して直接支給することとなっておりますが、その取扱いについては、以下の事項にご留意ください。

  • 消防団や分団の運営に必要な公務上の経費に充てるため、一旦団員個人へ直接支給された報酬の全部又は一部を消防団や分団に支払うように求めるようなことは、その趣旨を逸脱するものであり、早急に是正することが望ましい。
  • 消防団の幹部が、団員の預金通帳・キャッシュカード・届出印等を預かり、預金を引き出す行為は、基準の趣旨を大きく逸脱するものであるため、早急に是正することが望ましい。
  • 消防団における親睦会の会費等を目的とした集金については、消防団の運営は団員の総意に基づいて行われるべきものであり、まずは団員全体で議論していただくようお願いしたい。

<消防団員の報酬等にかかる課税関係>

 消防団員の報酬等にかかる課税関係については、以下のとおりとなっております。

1.年額報酬

 ※「団員」階級の標準額:36,500円/年
 年5万円までの部分は、費用弁償のため、非課税(年5万円を超える部分課税

2.出動報酬

 ※災害時の出動の標準額:8,000円/日
 ※災害以外の出動:出動の態様や業務の負荷、活動時間等を勘案して、標準額と均衡のとれた額

 以下の部分は、費用弁償のため、非課税(以下を超える部分は課税

  • 災害出動:8,000円/日まで
  • 災害以外の出動:4,000円/日まで
3.費用弁償(出動に伴う交通費)

 非課税

公務災害補償・福祉事業について

(1)公務災害補償について

 消防団員の活動は、しばしば危険な状況のもとで遂行されるため、消防団員が公務により病気や負傷をしたり、亡くなった場合には、消防組織法の規定により、市町村は、政令で定める基準に従って、条例で定めるところにより、消防団員本人又は遺族の方に対し、消防団員が公務上の災害によって被った損害を補償しなければならないとされています。

 消防団の公務災害補償については、療養補償、休業補償、傷病補償年金、障害補償、介護補償、遺族補償及び葬祭補償の7つの制度が設けられています。

<公務災害補償の種類>

公務災害補償の種類の表画像

 なお、療養補償及び介護補償を除いた各補償の額の算定にあたっては、政令で補償基礎額が定められています(以下参照)。消防団員が身体に対し高度の危険が予想される状況のもとにおいて消防活動に従事し、そのため公務災害を受けた場合には、特殊公務災害補償として遺族補償等について100分の50以内を加算することとされています。

 火災、風水害等においては、民間の消防協力者等が死傷する場合もあります。これらの消防協力者等に対しては、消防法等の規定に基づき、市町村は条例で定めるところにより、災害補償を行うこととされています。消防協力者等の災害補償内容は、補償基礎額が収入日額を勘案して定められること以外は団員に対するものと同様となっています。

<補償基礎額>

補償基礎額の表画像

(2)福祉事業について

 被災団員又はその遺族の福祉を増進するため、法的義務として行う損害補償を補完する付加的給付として、福祉事業を実施しています。
 公務災害補償を受ける被災団員又はその者の遺族の福祉に関して必要な事業は市町村が行うものであるものの、消防団員等公務災害補償責任共済契約を締結している市町村については、消防団員等公務災害補償等共済基金(以下「消防基金」という。)又は指定法人がこれら市町村に代わって行うこととなっています。
 福祉に関して必要な事業の内容は、外科後処置、補装具、リハビリテーション、療養生活の援護、介護の援護、就学の援護等となっています。

 ※公務災害補償や福祉事業に関する詳細は、消防基金のホームページをご覧ください。

退職報償金について

 消防団員が退職した場合、市町村は、その労苦に報いるため、慰労金の性格として当該団員の階級及び勤務年数に応じ、条例で定めるところにより退職報償金を支給することとされています。

退職報償金の表画像

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消防団入団の手続きなどについては、各市町村ごとに定められていますので、居住地(または勤務地・通学先)の市役所・町村役場または最寄りの消防署にお問い合わせください。