学生の方へ
学生消防団員の活躍
近年、消防団員が減少し、平均年齢の上昇が進む中、大学生・専門学生等、若い力の消防団活動への参加が強く期待されています。そんな中、各地で大学生、専門学生等を消防団員として採用しようという動きが広まりをみせており、令和5年4月1日現在で6,562人の学生団員が活躍しています。
(学生消防団員数の推移は下図参照)
例えば愛媛県の松山市消防団では、大規模災害時に避難所等で応急救護や物資配布などの支援を主な任務とする「大学生防災サポーター」が活動しています。平常時には、市の防災訓練などで訓練を積むとともに、広報活動、応急手当や心肺蘇生法などの普及指導活動も行っています。
学生消防団員数の推移 ※各年4月1日現在
学生消防団員の活動(Join us!)
学生消防団員へのアンケートやインタビュー、討論会など、
"学生のホンネ"や"消防団の今"を紹介します。
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インタビュー
学生の消防団への入団促進の取り組みは、年々広がっており、消防団にとって組織の活性化、次世代の担い手育成など様々な効果があるだけでなく、入団する学生にとっても知識や技術を習得できるとともに、地域社会の一員として誇りを感じることができるというメリットがあります。 実際の学生が、どんなふうに消防団と関わっているのか、また、周囲の反応など、消防団協力事業所(※1)でもある神戸女子大学にお話を聞いてきました。
中舘礼佳さん
神戸市須磨消防団 本団/学生/入団1年目
大学の掲示板に貼ってあった、消防団の紹介パンフレットに興味を持ち、以前「地域学習」で消防署にお手伝いに行った時にも、面白そうだなぁと思ったこともあり、友達と「楽しそうだし、やってみようか!」ということで飛び込んでみたんです。
入団して間もない私ですが、市民救命士(※2)の資格をとることができました。今度はその上の上級にもチャレンジしようと思っています。人命救助や指導者として救命救急の技術を普及させていけたらいいなと。
中舘さんから全国の学生のみなさんへメッセージ
私達が学生団員として入団したばかりの時には、かなり話題になり、たくさんの取材を受けました。大変緊張もしましたが学生消防団員として注目されることで、度胸がつき、自分自身変わったなと思えました。これは、様々な場面でプラスになるのでは、と考えています。
普段の学生生活では同年代の女の子しかいないので、消防団活動では色々な年代の人たちと交流できるのがすごく楽しいです。
消防団に入っていなければ経験できないことも多く、色々な人たちとの出会いや未知との遭遇ばかりですが、どれも良い経験になると思います。今しかできないことを存分にやりましょう!
齊山美津子教授
神戸女子大学 地域連携推進委員長
消防団活動については、まだあまり知っている学生が少ないかもしれませんが、消防団活動を通じて、大学で学んでいることへの理解をもっと深めることになるのでは、と思い期待しています。
例えば、防災訓練を通して、重要文化財が災害時には、どのようにして運び出されるのかを知ることが出来るだけでも、五感を通して歴史を学ぼうとする史学科の学生にとっては良い勉強になるのではないでしょうか。
普段の学生生活においても、卒論テーマで防災を取り上げ、消防職員の方々にアンケートを取ったり、行政と関わる機会が増えました。これは、普通の大学生では味わえない、大切な気づきを与え、深めてくれるものであると考えています。
※1神戸市では、 2010年の4月に条例が改正され、「消防団協力事業所表示証」の交付が事業所に加え大学等に拡大されました。神戸女子大学は、女子大で初めて消防団協力事業所に認定されました。
※2兵庫県では、応急処置技能認定講習の修了者を「市民救命士」と呼んでいます。
学生消防団活動認証制度(平成26年11月~)
「学生消防団活動認証制度」は、消防団員として活動した学生に対し、市町村長が「学生消防団活動認証証明書」を交付するものです。この証明書は、就職活動の自己PRなどで活用できます。なお、本制度は大学や経済団体へ周知されています。
【企業としてのメリット】
社会貢献実績のある人材や、団体行動、規律等を身につけた人材を確保しやすくなります。 消防団経験者を採用することで災害対応能力の向上が期待できます。
【学生としてのメリット】
消防団員として地域に貢献してきた実績を企業にアピールすることができます。 消防団活動における功績が評価されることで、学生の意欲の向上が期待できます。