火山対策(監修:小山真人 静岡大学教授)
2.経験を積むことが困難

火砕流の惨状
ご覧の写真は、198年ぶりの噴火によって火砕流に襲われた島原市北上木場地区の惨状です。

 火山災害は稀であるがゆえに、経験を積むことが難しい側面をもっています。せっかく得られた災害の教訓も、次の噴火までの長い時間の流れの中で風化してしまうことが普通です。このような状況の中でひとたび噴火が起きると、知識も経験も持たない住民は大きな不安を覚え、行政も初体験の過酷な試練を受けることになります。

また、噴火に至らないケースでも、いたずらに噴火を恐れる余り、風評被害が発生することもあります。

  稀に起きる災害であるがゆえに、噴火の規模自体が小さくても行政や住民の知識・経験の不足のために大きな被害に発展しかねないもの、それが火山災害なのです。
 また、噴火規模が大きくなった場合には、ひとつの自治体では対応不可能な被害が発生する場合もあります。
火山災害は稀であるからこそ、普段からの準備が必須とされるのです。

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