火山対策(監修:小山真人 静岡大学教授)
5.被災危険域の予測と仕上げ

 調査の結果として得られた噴火履歴データをもとにして、火口の位置や出てくるマグマの量を変化させたコンピュータ・シミュレーションを繰り返すことにより、過去には幸いにして被災経験がなかったけれど将来被災する可能性の高い地域を洗い出す作業も大切です。
富士山の溶岩流シミュレーション
ご覧の地図は、大規模噴火の場合を想定した富士山の溶岩流下のシミュレーション結果です。

 以上の作業を根気よくおこなうことによって、質の高い火山ハザードマップを作成することができます。
有珠山降灰シミュレーション
これは、1977年有珠山噴火にともなう降灰のシミュレーション結果と実測値の比較を示すものです。


 マップを実際の避難計画や土地利用計画に利用するために、主要な道路・鉄道や公共施設・避難所の位置を書き込む必要もあります。 さらには、配布先の住民がマップをよく理解できるように、火山の基礎知識や普段からの心構えについての丁寧な解説も必要です。

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