火山対策(監修:小山真人 静岡大学教授)
4.噴火の履歴

 火山のハザードマップは、そのマップが対象とする火山の噴火の歴史を詳しく調べることによって作られます。具体的には、火山のまわりに降り積もった火山灰や、火山から流れ出した溶岩流・火砕流・土石流などの年代や分布を調べます。
富士山東麓の地層
ご覧の写真は、富士山東麓に降り積もった火山灰の地層の様子です。


 また、歴史時代に起きた噴火に対しては、噴火のことを書き留めた日記・絵図・古文書などから、噴火の様相や推移を読み解きます。
富士山宝永噴火
ご覧の絵図は、富士山の1707年宝永噴火を記録した絵図です。



このような調査を十分過去にさかのぼって実施することによって、その火山が過去にどのくらいの規模や頻度で噴火してきたのか、溶岩流や火砕流がどこを流れてどの範囲まで達したのか、火山灰はどちら方向にどの範囲まで降り積もったのか、などの噴火履歴を明らかにすることができます。

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