⑤ 津波災害時の安全確保対策等
6.退避ルールの確立と津波災害時の消防団活動の明確化

 地震が発生した際、震源の位置などによっては、発生後数分以内に津波が到達する場合もあるため、津波浸水想定区域内にある消防団は、気象庁が発表する津波警報等の情報を入手するまでは、原則として退避を優先します。

 また、津波が想定される場合の消防団員の活動上の安全を確保するため、河川や防潮堤等に設置されている水門等の閉鎖や避難誘導等の活動のうち真に必要なものを精査し、消防団活動を明確化していくことが必要です。

 その際、地震発生から津波が到達するまでの最短の予想時間を基に、関係機関や地域の協力を得て、津波時の消防団活動を必要最小限にしていく必要があります。


 市町村は、地域防災計画や水防計画等に基づき、過去の災害履歴、地域特性を踏まえて、津波の高さ、浸水地域、津波到達までの予想時間、また、緊急避難場所、避難路、消防団員等の退避に要する時間等を基に、消防団が津波災害時に行う活動と安全管理についてのマニュアルを作成しておく必要があります。

 さらに、安全管理の観点から、単独行動を避け、隊として複数人での活動を原則とすること、「団指揮本部→分団・部・班(隊長)→団員(隊員)」という指揮命令系統を確立することが重要です。また、市町村(団指揮本部)は、出動から津波到達予想時刻までの時間、退避時間(安全な高台等に退避するために要する時間)や安全時間(安全・確実に退避が完了するよう、余裕を見込んだ時間)などを基に、退避のルールをあらかじめ定めておく必要があります。

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