⑤ 津波災害時の安全確保対策等
8.消防団の装備及び教育訓練の充実

 東日本大震災における消防団の活動を踏まえると、その装備、教育訓練等に関して、大規模地震、特に津波の被害が想定される地域においては、次のようなことに留意が必要です。


(1)安全靴などの団員の基本装備の充実
(2)無線等通信機器の整備
(3)大規模災害時において活動が長期化した場合等への備え(食糧、燃料、予備の装備、バックアップの仕組み)
(4)消防本部等との連携訓練の充実
(5)広域応援に備えた装備・訓練の充実



 東日本大震災では、消防団詰所や車両なども流され、装備もままならないまま、ガレキの中での検索、救助活動に従事せざるをえず、釘などを踏んで負傷したケースが多数報告されている。まずは、団員の生命・身体を保護するため安全靴に代表される基本装備の点検・整備が必要です。

 また、安全管理上、情報の収集・伝達が特に重要であり、無線等双方向の通信機器の整備を進める必要があります。

 東日本大震災では、食糧や燃料などがない中での活動を余儀なくされました。地震等の大規模災害時においては、活動が長期化した場合への備え(食糧、燃料、予備の装備)、消防本部や消防団の活動を支えるような仕組み(消防団の本部機能・兵站機能の強化、消防団による広域応援、活動が長期化した場合の消防本部・消防団のバックアップなど)を検討しておく必要があります。他方で、消防職員と異なり、消防学校等で一定期間まとまって教育訓練を行うことが難しい事情(団員の時間を確保することが困難)も考慮すると、各消防本部・消防署と消防団との間で連携した訓練を定期的に実施することが重要です。

 消防団による広域応援を推進することも有効と考えられ、そのための装備・訓練の充実を図ることも重要です。

 国として、今後は、装備の基準等の見直しや必要な財政措置等を検討していく必要があります。

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