コンビナート災害対策(監修:大谷英雄 横浜国立大学大学院教授)
2-2.事故防止対策の現状 経験的安全管理

 小規模事故を防止するのに有効な経験的安全管理においては、KYK活動、ヒヤリ・ハット事例の収集、TQC活動などが日常的に行われています。これらは、特定の事故の前兆を捉え、その特定の事故を防止するには有効です。実際に経験しなくても、過去の事故事例の調査などで知りえたものや、まだ事故は起こっていないが、危険であることが周知の事実であるようなものも防止することができるはずです。
 しかし、経験していないことは防止できない。大事故はしばしば小さな事象の積み重ねによって起こりますが、それらの一つ一つの小さな事象は事故の前兆として捉えられていないか、捉えられていても深刻な事故にはならないものとして見過ごされているようなこともあります。

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