コンビナート災害対策(監修:大谷英雄 横浜国立大学大学院教授)
2-10.事故防止対策の現状 リスクアセスメントによる安全管理 ヒューマンエラーをリスクアセスメントにどう反映するか

 最後にヒューマンエラーをリスクアセスメントにどう反映するかについて少し説明します。

 これは製造所の事故原因をハードに起因するエラー、ヒューマンエラー、その他の原因によるものに分けて示したものです。定量的な故障確率が比較的揃っており、イベントツリーなどで解析が行われているハードのエラーによるものよりもそれ以外の原因によるものの方が多いことが分かります。その他には自然災害や交通事故等が含まれており、これらの割合も大きいのですが、ヒューマンエラーに起因するものはさらに多いことが分かります。しかしながら操作のミスや確認不十分による事故等、それらの発生確率の定型的に信頼のできるデータは存在しません。このようなヒューマンエラーをリスクアセスメントにどう反映するかも大きな問題として残されています。

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