近年の主要災害の教訓
4.津波災害の教訓

 津波来襲による被害の防止のためには、避難が欠かせません。
 2004年(平成16年)9月5日、深夜に発生した紀伊半島南東沖地震では、和歌山県と三重県南部に津波警報が出されました。この警報そのものについては、多くの市町村が住民に知らせました。しかし、津波警報発表地域の住民に避難勧告を出したのは、警報の出た42市町村のうち12にとどまりました。そして、津波警報の出た地区の住民のうち、実際に避難をしたのは、4県平均で6.1%でした。


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また、2011年(平成23年)3月11日に発生した東日本大震災において、揺れがおさまった後すぐに避難した人(直後避難)については、そのうち1%の人が津波に巻き込まれ流されているのに対して、揺れがおさまった後、すぐには避難せず何らかの行動をしている最中に津波が迫ってきた人(切迫避難)は、そのうち28%もの人が津波に巻き込まれ流されています。

避難のタイミングと津波との遭遇については、避難のタイミングが遅れるほど津波に遭遇しているといえ、安全に避難するためには、早期避難が重要であるといえます。
 一刻も早い避難を促進するためには、「津波警報等が出たら、対象地域に即座に避難指示を発令する」といった発令基準と体制づくりが必要です。また、津波警報等よりも早く津波が来襲することもあることから、強い揺れや弱くても長い揺れがあった場合にはすぐに高台などへ避難するよう、沿岸部の住民に対して啓発などに努める必要があります。
http://www.bousai.go.jp/kaigirep/
chousakai/tohokukyokun/7/pdf/1.pdf

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