緊急消防援助隊
3.緊急消防援助隊の創設

 緊急消防援助隊の制度は、阪神・淡路大震災を教訓に平成7年に発足しました。
 阪神・淡路大震災の際には、全国から消防部隊が被災地の応援に駆けつけ、延べ3万人以上の消防隊員が活動を行いましたが、その活動のなかで無線の運用や装備面などをはじめ、いくつかの課題が指摘されました。
 そのうち、部隊運用の課題は、応援に駆けつけた部隊を指揮統制していくのか、各部隊がどの場所で活動すればよいか、それを誰が決めるか、どういう人の命令に従って活動すればよいのかなど、全体の指揮・連携体制が確立されていないというものでした。このため、各消防本部から応援に派遣されてきた部隊が効率的・統括的な活動を行えるように指揮・連携体制を確立する必要がありました。

 そこで、全国の消防本部から応援に出動する際の部隊編成を規定するために、平成7年10月に「緊急消防援助隊要綱」が定められ、緊急消防援助隊として制度化されました。
 その後、平成15年6月の消防組織法の改正により、緊急消防援助隊が消防組織法上で位置づけられ、平成16年4月1日から法制化された緊急消防援助隊として新たに発足しました。その編成と基本的な出動計画は、消防組織法に基づいて総務大臣が策定する「緊急消防援助隊の編成及び施設の整備等に係る基本的な事項に関する計画」に、出動と活動の詳細については「緊急消防援助隊運用要綱」にそれぞれ規定されています。

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