通常の災害でも、その規模によっては、人員の補給や物資・食料を供給するための「後方支援」が行われています。
しかし、緊急消防援助隊の出場地域は、各部隊の管内を遠く離れ、災害の規模にもよりますが、最低3日間、72時間を目安として活動します。そのため出動時から「後方支援」について考えておく必要があります。
このように、通常の現場活動での「後方支援」より、幅広い活動が行われます。
被災地の消防本部などの消防関係機関では、すでに被災地で活動を行っていることから、後方支援活動を被災地に頼るわけにはいきません。そのため、出動時から各応援部隊は、物資・食料などを自給自足で賄えるような体制を確保しておく必要があります。また、災害活動を行う隊員の運用は、各都道府県隊の判断によるため、交代要員のための人員の搬送についても考慮しておく必要があります。
「後方支援」は、出動する消防本部ごとに考えることも大切ですが、消防本部は地域により規模が大きく異なることや、都道府県隊を1つの部隊として活動を行うことから、部隊を構成する各消防本部の枠を超えて、活動時の補給などを考える必要があります。
各都道府県の代表消防機関には、後方支援本部が設置されますが、この後方支援本部においては、各都道府県隊全体のことを考慮し、調整を図ることが重要となります。
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