津波から身を守る-温故知新-
15.東日本大震災の「温故知新」

 大きな津波に見舞われた地方や、ひんぱんに津波被害を受ける地方では、そのことを末永く伝えるために、津波にちなんだ地名をつけたり、石碑を建てたりすることがよくあります。
 東北の三陸地方には、とくに多くの石碑が建てられ、「地震が来たらこの石碑よりも高いところに逃げる」という教育を行うなど、防災意識の高さがうかがわれます。
 なかでも岩手県宮古市の姉由地区では、石碑にきざまれた「ここより下に家を建てるな」という言葉に従い、石碑よりも高いところに集落をつくっていました。
また、ふだんから高台に逃げる訓練をしていました。

 その結果、平成23年の東日本大震災の津波はこの石碑の50メートル手前まで押し寄せてきましたが、集落はぶじだったのです。

 どんなに大きな災害の記憶も、30年をすぎると風化してしまうという説もあります。
 そこで、今回の震災のモニュメントを残そうという動きが各地で見られます。

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