① 震災対策
9.消火活動の留意点

 大震災時に消防団は、常備消防部隊の出場や応援隊はないものと考え、消防団の出場隊のみで消火するという気構えで活動を行う必要があります。
 このような状況下での消火活動の留意点を見ていきましょう。

 屋内進入は、注水死角を生じやすいので、一挙に鎮圧できると判断した場合以外は行わない方がいいでしょう。
 放水は死角の少ない場所を選定し、必要に応じ移動注水するなどして、消火面の範囲をできるだけ広くとる必要があります。
 注水活動は、路上など屋外で放水し延焼防止を主眼に活動することになります。
 付近に住民組織や企業の自衛消防隊がいるときは、協力しあって、町ぐるみの体制で消火活動に当たります。

 震災時の火災では 幅員の広い道路、空地、公園、河川、耐火建物などがあり、焼け止まりが期待できる場合は、これらを利用し、延焼が拡大する方向を重点に消火活動を行います。
 また、消火活動中は、火災の動向に注意し、退路を断たれることのないよう必要に応じ、指揮者は、見張役を立てるか、自らときどき高所にたって周囲の状況を把握しなければなりません。
 その他、残火処理、飛火警戒は、通常の火災とその要領は同じです。
 しかし、繰り返し述べているように、大地震発生時は、火勢が消防力を上回ることがあります。
 その場合、主火力を制圧し、残火処理の段階となれば、他の場所に大きな火災が発生していないか情報を収集し、残火処理を住民に依頼するなどして、他の火災現場への転戦(転進)を考える必要があります。
 飛火警戒についても、自分の隊だけで消火活動を強いられる場合があることから自主防災組織の協力を求めることも必要となります。

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