C災害 (監修·制作協力:相模原市消防本部、東京消防庁第三消防方面本部消防救助機動部隊)
1.はじめに

 「化学テロ」とは、サリンなどの化学剤をテロリストの兵器として使用し、大量に傷病者を発生させる行為のことです。
 その対応は、基本的には毒・劇物施設や輸送車両に起因する化学災害時の消防活動と同様となりますが、テロ災害時には化学剤特有の強い毒性、多数傷病者の発生、物質特定の困難性などから非常に困難な消防活動が強いられるため、通常の化学災害時よりも高い知識と判断力並びに統制が求められることになります。
 ここでは、消防庁が作成した「生物・化学テロ災害時における消防機関が行う活動マニュアル」(平成16年度 消防庁救急救助課)を基に、地下鉄サリン事件のような殺傷能力の高い化学剤が使用され、多数の傷病者が発生した場合の消防機関の対応について学習します。
 (なお、通常の化学災害についても、化学テロ災害時の活動と同様に対処します。)

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