C災害 (監修·制作協力:相模原市消防本部、東京消防庁第三消防方面本部消防救助機動部隊)
8-2.ウォームゾーンでの活動 除染

 地下鉄サリン事件の際、消防活動中に135人の消防職員が、サリンによる2次被害にあった一つの理由として、現場で曝露者の除染を行わずに医療機関に搬送を行った結果、曝露者に付着して残留していたサリンにより被害にあったことが挙げられます。
 このことを踏まえ、救急隊などが化学剤に曝露された人を医療機関に搬送する前に、消防機関と警察機関により現場で除染を行う方針が平成13年11月22日NBCテロ対策会議幹事会により「NBCテロ対処現地関係機関連携モデル」として取り決められました。
 傷病者が少ない場合には、念のため全ての傷病者を除染シャワーなどで除染することが望ましいと考えられます。

 しかし、同時に多くの傷病者が発生した場合には、早期に医療機関まで搬送し、適切な処置を施すため、化学剤の気体によって曝露された人は服を脱がして身体に付着している化学剤の約80パーセントを除去し、身体に化学剤の液体が付着している人は水で洗浄、また液体が視認できない者については脱衣させることで除染を完了させます。

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