土砂災害対策(監修:岩松暉 鹿児島大学名誉教授)
15.土石流の前ぶれ

土石流にも前兆現象があります。長崎水害のとき、沢の奥でゴーッと山鳴りがするというので、こんなときには逃げるようにとの伝承があった古い集落では、隣近所誘い合って逃げて助かりました。新興住宅地では、その意味するところを知らなかったために被災した例があるそうです。
水位低下については、先ほど出水市針原川の例をお話ししました。沢の水が濁ったり、流木があったりした場合には、上流で異変が起きている証拠ですから、なるべく早く逃げましょう。土石流のスピードは速いですから、沢と直交する方向に逃げるのが肝要です。

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