雪害対策(監修:沼野夏生 東北工業大学教授)
8.雪害の変遷その3「都市雪害の激化」

 地域社会システムの機能低下やマヒを主な内容とする「都市雪害」は、雪国の都市型社会への移行が生みだしたもので、昭和38年の「38豪雪」のころから注目されるようになりました。その背景には生活様式の都市化、地域構造の変化、家族や地域社会の変化といった要因がありますが、とりわけ自動車の普及とそれに伴う都市域の拡大が大きな影響を与えました。市街地の除雪のニーズが激増し、対策費用の大幅な増大を招いています。それにもかかわらず、大量の人・もの・情報の休みない流動に依存するフロー型社会と化した雪国の都市は一層雪に弱いものとなり、根本的な対策の重要性が高まっているといえます。

続きを読む