雪害対策(監修:沼野夏生 東北工業大学教授)
1.雪害の種類

 雪害には大別して人やその財産、施設などが直接被害を被るものと、雪による経済的損失や社会機能のマヒといった間接的な被害とがあります。
 前者の代表的なものにはなだれ、融雪洪水、建物や農業施設の倒壊、各種の雪事故などがあります。
 また後者は、大雪や吹雪による交通マヒ、産業活動の阻害などが代表的なものです。
 この区別は日本最初の雪害研究・指導機関である積雪地方農村経済調査所による「災害的雪害」と「不利益的雪害」という分類にほぼ対応します。雪による都市機能の阻害やそれを回避するための除雪費用の膨張など、不利益的雪害が大きいことが雪害の特徴ですが、高齢化などを背景に災害的雪害も深刻化する傾向にあります。

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